N3 · 日本文學
牛女
牛女【山の幻】
村には、春がき、夏がき、秋となり、冬となりました。子供は、だんだん死んだ母親をなつかしく思い、恋しく思うばかりでありました。
村子裡,春來夏去,秋至冬臨。孩子越來越深深地思念著、懷念著那位離世的母親。
ある冬の日のこと、子供は、村はずれに立って、かなたの国境の山々をながめていますと、大きな山の半腹に、母の姿がはっきりと、真っ白な雪の上に黒く浮き出して見えたのであります。これを見ると、子供はびっくりしました。けれど、このことを口に出してだれにもいいませんでした。
某個冬日,孩子站在村子邊緣,眺望著遠方邊境的群山,只見在高山的半腰,母親的身影清清楚楚地浮現在白茫茫的雪地上,黑黑的輪廓歷歷在目。孩子一見,嚇了一大跳。但他並沒有把這件事說出口告訴任何人。
子供は、母親が恋しくなると、村はずれに立って、かなたの山を見ました。すると、天気のいい晴れた日には、いつでも母親の黒い姿をありありと見ることができたのです。ちょうど母親は、黙って、じっとこちらを見つめて、我が子の身の上を見守っているように思われたのでありました。
孩子每當思念母親,便站在村子邊緣望向遠山。只要是天氣晴朗的日子,他總能清清楚楚地看見母親那黑色的身影。母親就那樣默默地、靜靜地注視著這邊,彷彿在守望著愛子的未來一般。
本章字詞節錄
- なつかしく思いなつかしいN3
懷念的、令人眷戀的
- だんだんだんだんN5
漸漸、越來越
- 恋しくこいしくN2
想念的、懷念的
- 子供こどもN5
小孩、孩童