N2 · 日本文學
魔術
魔術【花と独楽(こま)のランプ】
ミスラ君は手を挙げて、二三度私の眼の前へ三角形のようなものを描きましたが、やがてその手をテエブルの上へやると、縁へ赤く織り出した模様の花をつまみ上げました。
米斯拉君舉起手,在我眼前劃了兩三個三角形,隨即將手移向桌上,捏起了那塊紅色織花桌巾上的一朵花紋。
私はびっくりして、思わず椅子をずりよせながら、よくよくその花を眺めましたが、確かにそれは今の今まで、テエブル掛の中にあった花模様の一つに違いありません。
我大吃一驚,不由自主地把椅子往前挪,仔細端詳那朵花——它確實就是方才還織在桌巾裡的花紋之一,毫無疑問。
が、ミスラ君がその花を私の鼻の先へ持って来ると、ちょうど麝香か何かのように重苦しいさえするのです。
然而米斯拉君把那朵花湊到我鼻端,竟散發出如同麝香般濃重的香氣。
本章字詞節錄
- 上うえ
上、上面、上方
- 出しただす
伸出、拿出、發出
- 前まえ
前面、前方
- 君くん
君(男性下位/同輩名後接尾)